風邪予防の8ポイント



 新型インフルエンザでウィルス性肺炎を起こして重症化


★ニュースNo.1 →「風邪・インフルエンザ予防に手洗い、うがい、歯磨きを!」
★ニュースNo.2 →「インフルエンザ:高齢者は注意」
★ニュースNo.3 →小文字版(本頁)大文字版 「新型インフルエンザでウィルス性肺炎を起こして重症化」
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 新型インフルエンザで重症化する患者が増え出している。季節性にはほとんどみられないウイルス性肺炎となり、急速に呼吸障害に陥る小児や、基礎疾患(持病)のない大人でも重症化し、死亡するケースも出た。重症患者が増えると、人工呼吸器が不足する恐れもあり、専門家は通常のインフルエンザの本格的な流行シーズンを前に、警戒を強めている。 たった半日で肺が真っ白…病院に運び込まれた小児(9)の胸部レントゲン写真である。小児は夜に発熱、翌朝には呼吸が苦しくなり受診。「人工呼吸器が必要」と開業医が判断した。十分な酸素を取り込めず、正常なら95%以上ある血液中の酸素飽和度が70%台まで低下していた。季節性では発症から半日でこんなにひどい肺炎にならない。  季節性では、感染で体力が落ち細菌性肺炎になり、重症化する場合がある。だが、新型ではウイルス自体が肺で炎症を引き起こす「ウイルス性肺炎」になり、重症化する例がある。新型では小児は発熱から12時間程度で急速に呼吸状態が悪化することがある。  特に @呼吸が速く回数が多い A胸の真ん中の胸骨の上や肋骨(ろっこつ)間が息を吸う時にへこむ「陥没呼吸」を起こしている B顔や唇が青白くなる(チアノーゼ)−−の症状がある場合は呼吸障害の恐れがある。 発熱後、子供の状態をよく観察して、呼吸障害がみられたらすぐ受診をする。  ただ、ウイルスの増殖を抑えるタミフルは発症から48時間以内に投与すれば効果がある。夜間に発熱しても通常のせき程度なら『通常の診療時間帯に受診して抗ウイルス薬を投与すれば十分。慌てて救急外来を受診する必要はない。  細菌性肺炎には抗生物質が効果があるが、ウイルスに抗生物質は効かない。抗ウイルス薬のほか、人工呼吸器での呼吸維持も必要だ。先行的に7月下旬から新型が流行した沖縄県では13日現在で5人の子供が重症肺炎となり、人工呼吸器による治療を受けた。  人口が沖縄の7倍弱の神奈川県では単純計算で30人以上の子供が人工呼吸器が必要になる可能性もある。特に急激に呼吸不全が進む「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」は集中治療が必要で、小児専用の集中治療室(PICU)が足りず、対応できない可能性がある。  健康な成人でもウイルス性肺炎になり、重症化する例が出ている。  沖縄県在住の女性(24)が15日に死亡。新型感染や疑いのある死亡者のうち、基礎疾患がなくウイルス性肺炎が確認されたのは初めて。同県によると、女性は8月26日に発熱、簡易検査でA型インフルエンザと診断された。抗ウイルス薬を処方されたが発熱は続き、呼吸困難となり同31日に再受診、ウイルス性肺炎が確認されたという。  女性は集中治療室で人工呼吸や体外補助循環などを行っており、直接の死因はくも膜下出血。インフルエンザが直接くも膜下出血を起こすことはないが、同県は「感染で重罵な状態になったことなどが関係した可能性かある」と指摘。重症化のリスクが指摘される持病がなくても、ウイルス性肺炎から死に至る可能性があることを示した形だ。  高齢者の肺炎対策も重要だ。だが、10月下旬開始見込みの新型向け国内産ワクチンの優先接種対象者から外れ、接種可能になるのは輸入ワクチン供給後の12月下旬以降の見込み。新型では、感染して重症化する高齢患者が多くないためだが、厚労省は「季節性での重症化を防ぐため65歳以上の高齢者はまず予防接種法に基づき季節性のワクチンを受けてほしい」と求める。  さらに肺炎球菌ワクチンの普及も必要。季節性を発症した高齢者は肺炎球菌による細菌性肺炎を併発、重症化することがある。高齢者の入院を減らせば、新型の重症者治療のためにベッドを確保できるからだ。高齢者にも意味のある医療をしっかり提供することが必要で、新型ワクチン以外のワクチンの活用も重要性である。  一方、「新型に感染して重症になったり、死亡したりする患者は意外と少ない」との指摘や、「患者発生状況などからみて、新型の重篤性、危険性は季節性を上回るものではない」と言う指摘もある。
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